『無敵』とは敵をつくらずいなくなること

すくすく通信通巻5号掲載 2013年7月発刊

敵をつくらず『無敵』となる

今一度、杉原道場の教える武道の目的を確認したいと思います。大切なことは家庭や社会生活などの日常で、道場や大会などの非日常ではありません。
どういう姿勢や立ち居振る舞いをすれば日常の争いを封じ、誰とも争わずに皆と協調できるのかが稽古の大きなテーマです。
相手を” 倒したり上回ること” を勝ちと思うのか、” 争いを封じ協調できること” を勝ちと思うか、その人となりが試されるところです。
相手に負けて悔しがることは教えずとも誰にでもできます。肝要なのは相手と一つになれなかったことを悔しがれるかではないでしょうか?
誰とでも仲良くなれる能力があれば、まさに敵をつくらないから『無敵』です。

武道の中核を担う会話術

相手を攻撃して倒す技よりも、争いを封じる技を学ぶことの方が大切です。
封じる技の中でも会話術が欠くことのできない大切な技になります。武術に会話術とはピンと来ない方もいらっしゃるとは思います。
古来、戦いはまず交渉から入ります。現代でも警察にネゴシエイター(交渉人)がいて映画やドラマにも登場します。
言葉一つで「戦い」か「和平」かが決まりますから真剣そのものです。
武道の目的が争いを封じることであれば、交渉・会話術は武道の中核を担うことになります。
言うまでもありませんが会話術の目的は、相手を言い負かす事では無く一つになることです。
” 会話ができる” ことは非常に大切な能力です。
生涯にわたって最も使う能力ですから身につけていて損はありません。

しかし子供に会話を学びなさいと行っても、その必要性が子供には理解できにくいため、会話専門で学ばせることは難しいところです。
ところが武術の一貫として教えると比較的子供は喜んでやります。ここがまた武道の面白いところです。

会話は思いやりのあるキャッチボール

自分の言いたいことが中心であったり、聞きたくないことや関心の無いことは上の空では会話になりません。
特に子供のできないことが相手の言葉を受け止めるという行為です。相手の言葉に対して受け止めずにすぐ自分の言葉を返してしまいます。
例えば相手が自分の知っていることを知らずに教えてくれたとします。

多くの場合、「それ知ってるよ。」とか「当たり前でしょう。」など受け止めずにすぐに言葉を返してしまいます。
少々気が荒れていれば「人をバカにするな。」「うっとうしい。」「無言。」など争いの種を返してしまいます。
「(教えてくれて)ありがとう。」と一旦受け止めてから「実はそれ知っているんだ。」と言葉を返せば関係が良好になり発展します。
「ありがとう」と、時間にすればわずか1 ~ 2 秒ですみます。この心を備えられたらどんなに豊かなことでしょう。
「ありがとう」という言葉は、ポケットにしまってはいけません。
今回の稽古で子供達に教えた諺です。

道場では相手にわざと誰でも知っていることを言ってもらい、それを受け止めてから言葉を返すという稽古を行います。
人と対するとき「会話する」という意識を持つことです。会話は相手の言葉を受け止めて、相手の受け止めやすい言葉を届ける良きキャッチボールです。
成長とは相手の言葉よりも、まず相手の心を受け止めることのできる人間になることだと教えています。

関連記事

ランキング

  1. 1

    諸葛亮孔明のことばから学ぶ

  2. 2

    道場性の声:小学3年生女子A.Kさん

  3. 3

    スポーツ界の不祥事のなぜ?

  4. 4

    極真空手-大山倍達総裁の言葉1

  5. 5

    道場性の声:小学4年生女子M.Fさん

最近の記事 おすすめ記事 特集記事
  1. 【学べるヒーリング瞑想4K-自然のゆらぎ編】癒やされながら学び自分を覚醒できる瞑想

  2. 【育児と教育④-実際の証拠】本当の心の教育による子供の成長の実際の証拠をお見せします。

  3. 【育児と教育③】まだ間に合う、子供の身体と才能を開花し心を育てよう

  1. 【育児と教育③】まだ間に合う、子供の身体と才能を開花し心を育てよう

  2. 稼ぐは能力、使うは人格、より大切なのは人格教育

  1. 人格者教育とは!

  2. 「私の子どもは世界一」といえることが親の本来の姿

  3. 拳禅一如(剣禅一如)~真の武道教育~

TOP