自然に歩く②-歩くはすべての運動の基本

足指/足首に関心をもっていますか?
ここでいう足とは足首から下を指します。

足指と足首の可動性は想像以上に重要です。
よくスポーツなどで、腰を入れる・骨盤意識・膝の方向などが言われますが、そのすべてを生かすためにもまず足首から下が重要になります。

この部位は運動能力はもちろん、歩く、モノをとる、運ぶにとっての肝です。
腰痛・ひざ痛・怪我しやすい・O脚などの原因はまずここから改善しましょう。

この原因は
①「靴」のサイズ・形・はき方が不適切
②地面(重力)と足の関係が悪い
③重心移動の間違い

特に多くのスポーツは靴をはいて動きますので大変です。
小学生の子供でも外反母趾・浮指・小指が曲がっているなどの症状が出ます。
当道場の小学生入門者で、入門時、足指が整っているのは20人に一人です。

モータースポーツ(F1など)で最もタイム差に表れるのは、タイヤです。
地面と接触している唯一の部分ですから当然といえば当然です。

足裏の地面との接触が悪ければ、バランスがとれず衝撃が膝や腰にねじれた形で来ます。

裸足で運動する武道はそういった意味では貴重です。
どのような状態が自然で優れているのか?・・・
道場では、この点を大切に、詳しくひつこく稽古します。
昇級試験では足のありようも対象です。

また「歩き方」ほど、意見の分かれるものはないかもしれません。
・かかと着地、つま先着地、フラット(足裏全体)着地
・大股で歩く、小股で歩く
・膝伸ばす、伸ばさない
・一本の線か2本の線の上を歩くように
・地面を蹴る、蹴らない
・手を振る、振らない
・手は前に振る。後ろに引く
・肘90度、まっすぐ
・背筋伸ばす、伸ばさない
・腰をふる、ふらない
など、正反対ともいえる方法論が本やネットで指導されています。

モデルや芝居などの特殊な目的の場合は別として、日常歩くことも運動ですから、健康的で美しく歩くことが楽しいことが大切です。
なにごともエビデンス(証拠・根拠)が大切です。
自然体は美しいのですが、「見た目が美しい」では十人十色となってしまいますので、エビデンスにはなりにくいと思います。
人間の二足歩行のすごさは、長時間移動できることです。
四足歩行は速度は速いですが、長時間移動できることは基本的に人間が優秀と思います。

自然な歩行のエビデンス

①長時間歩いて疲れない
(例:坂を含む道を一時間以上歩いてもつかれない、どこも痛くない、もっと歩いていたい気分)
②足裏・足首・ふくらはぎが柔らかい
③膝・腰が痛くない
④内転筋・ナムストリングが柔らかく、弾力性がある
⑤他人に抑えられても何事もなく歩けるほど力強い
⑥頭の上下左右動が少ない

⑤に関しましては、地面を蹴ることではないことに留意してください。
地面を蹴っている人は、ほぼ、足裏、ふくらはぎなどが固いです。
足裏の角質などは地面を蹴って歩いてる典型的な症状です。

靴文化のながい外国人(特に西洋人)から見ると日本人の歩き方は不思議に見えるようです。
歩くという人間の基本動作に人種や性別は関係ありません。
もちろん個性がありますから、見え方に違いはありますが基本は同じです。

人間の自然な二足歩行とはなにか?一考してみる価値はあると思います。
道場では事細かに指導し、各人が歩行エビデンスで確認をしてもらいます。

レオナルド・ダ・ヴィンチ「足は人間工学上の最高傑作である」

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